マンションから出たら、武の車が停まっている。

私が大きく手を振ると、圭介と武が降りてきた。

「沙羅ちゃん、誕生日おめでとう」

「おめでとうございます」

二人が祝ってくれる。

「ありがとう!誕生日が嬉しいって思ったの、初めてだよ」

私の笑顔に、突然怜が手を握ってきて。

ゆっくり目の前にひざまずいた。

「これからは毎日楽しみが待ってるような人生にしてやる。俺と結婚してください」

あの日、もらったはずのプロポーズだけど、改めて言ってもらえることがなんだか嬉しくて。

あの時は即答出来なかった。

でも今は出来る。

「はい!喜んで!私も怜を幸せにするからね」