繁華街に着いた。

黒服が5人待機している目の前で武は車を停めた。

「怜さん、沙羅さん、いってらっしゃいませ」

笑顔で送り出してくれるけど、

「あの人たちは?」

黒服のごつい人がいたら、降りづらい…。

「護衛だよ。今後は出歩くとき沙羅ちゃんには必ず側に誰かつくからね、今日は俺も行くよ」

「えっそうなの!?でも圭介と怜が居れば護衛は足りてるんじゃ…」

「足りないよ」

はっきり言われてしまって、そういうものなのかと自分を納得させる。

先ほど組長にも警告されたばかりだし、大人しく言うことを聞いておこう。

怜がドアを開けてもらい降りると、黒服さんたちに頭を下げられたので、私もお辞儀を返した。


「さて、まずは指輪からだな、行こうか」

「うん!」

私たちが歩けば、皆の注目が集まる。

皆が怜を見ている。

それでも誰も声をかけないのは、この威圧感か、背後の護衛たちの存在か…分からないけれど。

怜に見とれていた人たちが私の存在に気づくと、嫉妬のような目線を向けてる気がする。

陰ながら睨んでるヤツいるし…バレバレなことに本人たちは気づいていないんだね。