挨拶を終えて、白虎の面々と出くわさないように、早々に家を出る。

とくに私より柚子を選んだ仁には会いたくないな。

組長と静香さん直々に門まで見送ってもらった。

見送りなんてとんでもないですと断ったが、そうすることで結婚を認めただけでなく、私を大事にしているというアピールになるらしい。

組長たちが私を大切に扱えば扱うほど、周りも私を必ず守らなくてはならない重要な存在になる。

周りに認めてもらえる手助けは十分にしてくれるって言ってたけど、実質これからの自分次第でもある。

家族だと言ってくれた組長たちの、期待に応えれるように頑張っていきたい。


門で待つことわずか1分、武と圭介の運転する車が来た。

「沙羅ちゃんお疲れ様~!怜、結婚認めてもらえたって?」

「ああ、改めて沙羅のことよろしくな」

「勿論だよ、沙羅ちゃん、これから長い付き合いになるね。改めて宜しく」

「うん、周りの人たちにもちゃんと認めてもらえるように頑張るから、これからもよろしくお願いします!」

皆笑顔を返してくれた。


「次の行き先は繁華街でいいですか?」

「この間指輪を選んだ店に行く、そこで俺たちの結婚指輪を買おうか」

怜が嬉しそうにこっちを見つめてくる…が、

「俺たち?…私はもう買ってもらっているよ?」

渡された指輪はずっと薬指につけている。

それをゆっくり怜に見せつけた。

「それは婚約指輪だ。次は結婚指輪で、ペアリングにしよう」

「そんなに指輪ばっかり買ってもらったら、悪いよ」

「俺がしたいからそうするんだ。だから沙羅は受け取ってくれ」

そう言われると断りにくい…。

怜はどうやら色々私に買い与えたいらしく、指輪のあとは洋服を買う約束を取り付けられた。