話している内に組長と奥さんのいる部屋に着いたみたい。
梓がドアをノックする。
「組長、奥様、怜さまと沙羅さまがお見えです」
「入れ」
中からの返事を待って、怜がドアを開けた。
組長の方めがけてずんずん進んでいく。
失礼します、と恐る恐る挨拶をして、部屋へ踏み入れた。
上座に組長、奥さんが座り、その対面に怜が座る。
私は怜の隣に座った。
「初めまして、蓮見沙羅と申します。この度は顔合わせの機会をいただきまして…」
「そんなにかしこまらなくっていいのよ!」
奥さんの方が明るい声で私の挨拶を止めに入った。
「結婚を反対するつもりはないわ?怜が長く片思いしているのは知ってたし、両想いになってくれて、息子の嬉しそうな顔も見れて嬉しいのよ、ねっ、お父さん」
「日頃からお見合いを必ず断る怜がやっと連れてきた嫁さんになる人だ。心から歓迎するよ」
「あ、ありがとうございます」
「言っただろう?俺の両親は反対しないってさ」
「怜はそう言ってたけど、はいそーですかって信じられるわけないでしょ」
ジトっと怜を見つめると、組長と奥さんは二人とも笑い始めた。
「ハハハッ面白い。怜と対話の機会があれば自分を売り込むような女ばかりで嫌がっていたから、本当にいい人を見つけてきたなあ」
「怜も沙羅ちゃんに思いを寄せる理由が分かる気がするわ!」
私たちのやり取りだけで、二人で盛り上げっているご両親のテンションには驚いたけど、歓迎されてるようで安心した。
