嫌われ者の私、総長様に見初められる


マンションから出ると、武と圭介が車の中で待ってた。

私たちの姿をいち早く発見した圭介は、助手席の窓を開けると手を振る。

「沙羅ちゃん、怜、おはよう~」

「おはよう」

私が挨拶を返すと、怜がドアを開けてくれた。

私の隣には怜が座った。

車がゆっくり発進する。


「怜さん、沙羅さん、おはようございます」

「婚約おめでとう~!二人とも再開したばかりなのに、スピード婚約で驚いたよ」

「当たり前だ、ずっと待ってたんだからこれ以上我慢できねえし」

「じ、情報が早い…怜が伝えたの?」

「昨日の段階で、両親と圭介、武に伝えたからな、本家の連中は皆知っているだろう」

「一大イベントみたいなものだもんね…私なんかでいいのか、また緊張してきた」

「昨日の自信はどこ行ったんだ。絶対大丈夫だから安心しとけって」

「沙羅ちゃんはもっと自信つけてね!怜の婚約者なら堂々としてないと務まらないよ」

「それは…うん、頑張るね」

「圭介、沙羅に注意するなよ。馴染もうとするだけでいっぱいいっぱいなんだ。いきなり言われても無理だろ、そんなこと」


無理、ってはっきり怜に言われて、気づいた。

いつも気遣ってくれると思ってたけど、婚約のことでも気遣わせてしまうのか。

釣り合いの取れない私との婚約は、周囲から沢山批判を言われるんだろうな。

もっと私がしっかりしなくちゃ、怜の足を引っ張ってしまう。

大好きな怜の足手まといになるのはごめんだ。