嫌われ者の私、総長様に見初められる


「ありがとう」

伝えたい言葉で心の中は溢れかえっているのに、ありきたりな言葉しか出てこない。

涙を零さないようにと歯を食いしばると、怜が優しく抱きしめてくれた。


「俺の前で我慢するなよ、泣きたいときは泣いていいんだよ」

優しく温かいその声で、体温で、抑えきれなくなってしまい大泣きした。

こんなに泣くのはいつぶりだろう。

私が泣き止むまで、怜はずっと抱きしめてくれた。



一通り泣いて、すっきりした私に怜はゆっくりと離れた。

離れていく体温が恋しくて、優しい腕の中が居心地よかったことに気づく。


もし結婚を断っても怜は今すぐ私を追い出すような人ではないだろう。

だけど、もう触れてくることはなくなるのかな。

こんなに寄り添ってくれることもなくなるのかな。

すごく寂しいことだと思った。


この人ともっと一緒に過ごしてみたい。

私じゃ不釣り合いかもしれないけれど。

今からでも釣り合うようになれるかな。


「私でよければ、結婚してください」