夜になり帰ってきた怜は疲れてるみたい。

「おかえり」

「ただいま、遅くなって悪かったな」

「全然大丈夫だよ、それよりもキッチン借りてご飯作ってみた」

「いい匂いがするなと思ってたんだ、ありがとうな」

怜が嬉しそうに笑う。


荷物を部屋の隅において怜が椅子に腰かける。

「肉じゃが作ってくれたのか」

「うん。勝手に冷蔵庫のもの使ってごめんね」

「なんで謝るんだよ。腹減ってるし疲れてるし、ご飯作ってくれてるのすごく助かるよ」

「そう言ってもらえてよかった」

多忙な怜の助けになればと思って夕飯作ってみたけど、美味しそうに食べてくれるしやってみてよかった。


「美味しかった、ごちそうさま」

「また明日も作っていい?」

「それは大歓迎だが、明日は朝飯だけお願いしようか」

「どうして?」

「大事な用事があるからだ」

先ほどとは変わって、真剣な表情に私は手に持っていたコップをテーブルに戻して、怜に向き合った。