怜が玄関のロックを解除してくれる。

カードキーから始まり、指紋認証、暗証番号など色々入力していた。

簡単には開けられそうにない扉に安心して笑ってしまった。


「なに笑ってんだよ、朝影組若頭、白虎総長という肩書があるだけで、厳重にしてないと寝首をかかれるかもしれねえんだ」

「分かってるよ、だからこそ私も安心して部屋で過ごせるんだよね?」

「そうだな、誰にも邪魔させないから、ゆっくりしようぜ」


ようやく玄関が開いた。

「おじゃまします」

「今日から一緒に住むんだから、ただいまでいいんだよ」

「それもそうだね、ただいま!」


あんなことがあったけど、これから始まる新生活に期待することができる。

そう思えたのは怜のおかげかな。

幼い頃に出会ってたという安心感か、再会して数時間しか会話していないけど、怜がとても優しかったからか、理由は自分ではよくわからないけど。

悪いことばかりじゃないかもって少し思い始めていた。