帰国して、組事務所に向かう。

仕事を代わってくれた親父の補佐に礼を言って、白虎の様子を確認しに倉庫へ向かう。

すると白虎に感じる違和感。

幹部や仁に囲まれて幸せそうな女の存在。

仁を問い詰めるまでもなく、仁の方から嬉しそうに報告してきた。


「兄貴、俺に彼女が出来たんだ」

「守ってあげたくなるようなかわいい子で、話すととても面白いんだ」

「俺の大切な人だから白虎のメンバー全員で守ってる」

「皆、俺の彼女のこと気に入ってて、大事にしてくれてるんだよ」

「名前は柚子って言って、双子の姉がいるらしい。いじめられてるらしくって、放っておけないかわいそうなやつなんだ」

「俺らが守ってやらなくちゃって皆気合入ってんだ」


俺のいない間にこんなことになっていたなんて思わなかった。

こいつらが柚子に取り入られることは想定外だった。