朝影組には表と裏の顔がある。

お袋と親父が結婚した際、お袋が服飾メーカーの会社を立ち上げている。

お袋のデザインした洋服は当時大流行し、大手企業へと成長した。

今はお袋は海外に支店を多数構え、あちこち飛び回っている。


そんなお袋の会社を裏から支えているのは親父だ。

お袋の会社になにかあれば朝影組に目をつけられることになる。

反対に、親父の方で警察沙汰になりそうなときはお袋が人脈を駆使してアリバイを作ったり、人を使ったりして助けさせる。


そうやって均衡を保ち、お互いが必要としているのだ。

優秀な仁とは、両親みたいな良きライバルであり、支えあう関係を築きたかった。

だから仁の成長のため、副総長を任せ、総長としてしっかりサポートしていくつもりだった。