もともと白虎総長として日々ぬかりなく過ごしていった。

俺を総長に任命してくれた先代に恥じないように。

総長を次に譲るときが来たら、若頭として組の仕事が沢山入ってくるだろうし守るやつも増えるんだ。

俺が白虎をどう動かし、守り、使っていくかを先代と親父は見ている。

その期待に応えなければ若頭の座は弟に取られてしまうだろう。

この世界は実力主義だ。


白虎総長として軌道に乗り、高校に入学した弟の仁に副総長になってもらった。

中学のときから下っ端の一員として白虎の倉庫に出入りしており、皆をまとめる統率力やカリスマ性も備わっている。

明るくポジティブで誰からも好かれる、仲間思いのいい奴だった。

そんな仁だからこそ、副総長に任命した。

補佐の幹部メンバーは誰でもよかったが、仁と一緒に優秀そうなやつに決めた。


仁は俺の良きライバルになるんだろうと信じていた。