目を覚ました。

見慣れない天井、コンクリートとは違う柔らかい寝心地。

なにより部屋が暖かい。


体を起こしたいが、うまく力が入らない。

あれから熱も上がってるのか、相当気分が悪い。


「起きたか?」

ふと、横から声がした。

さっき助けてくれた男の人がいた。

ずっと、ついていてくれたのかな?

そんなわけ、ないよね。


「助けてくれて、ありがとうございます」

喉はカラカラで、気分も悪くて、絞り出すようにお礼を言った。