鉄の扉がガシャンと、いつもより大きな音を立てて開いた。
さ今日の分のごはんは渡されてるはず。
普段なら明日まで放置されてるはずだ。
身構えるように体を起こす。
入ってくる人物は男が二人。
無意識に警戒を強め体に力が入る。
ドクドクと心臓が警鐘を鳴らすように脈打ち始めた。
「大丈夫か?」
先頭を歩く男の声は、なんだか気遣うように優しくて、戸惑う。
「今、ここから出してやるからな」
しかもここから出してくれるらしい。
助けに来てくれた、ってこと?
こんなにも格好いい人が…?私を?
目の前の光景が信じられなくて黙っていると、首輪は外され、そっと毛布を肩から掛けられた。
久しぶりに温もりと、安堵に涙が零れて、体のきつさが最高潮に達していた私はそのまま倒れこむように意識を手放した。