入ってきた男たちの中でも先頭を歩いてる仕切ってそうな人が、私をまっすぐ見てきた。
しかしすぐに嫌悪感むき出しの、不快そうな表情へ変化すると、見張りの男にごくろうさんとねぎらっていた。
「俺は三坂。コイツにどこまで聞いてるか知らねえが、ここは白虎地下倉庫。」
「はい、そこまでは聞きました。…それで、私がここにいるのは…?」
おそらく柚子のせいだろう。
嘘をついて白虎の副総長に取り入ったのだから、騙されてる白虎のメンバーは私を快く思わないはず。
「お前が柚子ちゃんをいじめるからだ。俺たちは姫になる前から柚子ちゃんのファンで、ただ守りたいだけだ。
最近毎日柚子ちゃんが泣いてて、家に帰ったらお前にいじめられると言っている」
「…そんなはずは…」
「ないというのか?それこそ信じられないな、それに今日幹部たちが直々にお前に警告したから、お前も柚子ちゃんをいじめにくいだろう、だが俺たちはそれじゃ気が済まねえ」
この人たちも、柚子に騙されているんだ…そしてその誤解を解く術は、わたしにはない。
「だからこうやって、捕まえて、ここで飼い殺しにしてやるよ。家に帰れないようにな。本当は殴りたいが、白虎は一般人には手をださない決まりだ。破ったら降格、もしくは白虎脱退だからな、この程度の罰で済ませてやるよ」