君の心をみせて

ついに来るのかと思うともう落ち着かない。

帰り際、啓斗の席に寄る。

「俺、頑張ってくるわ」

啓斗はすぐに分かったみたいで、腕を軽く小突いてきた。

「行こ」

「ごめん、今行く」

教室のドアの前で待つ礼奈がいつも通りで少し緊張がほぐれる。

「あのさ、この前のことなんだけど」

家までの道の半分に差し掛かったあたりの公園に入った礼奈を追う。

ブランコに2人で腰掛け、礼奈が話し出した。

「正直、どうしていいかわかんない。ずっと幼馴染で来たから」

「今すぐ無理に変わんなくていい。だんだん、そういうように見てくれればいいよ」

俺は気持ちをぐっとこらえて言った。

目の前で俯いている礼奈は俺が知る礼奈じゃないみたいだ。