君の心をみせて

~彰side.~

「あのさ、彰、今日の帰りいい?」

「いいけど」

いつになく神妙な顔で誘ってきた。

別に何の用事もないし、断る理由は無かったが、なんとなく嫌な予感がする。

帰り道、いつもは俺が話して啓斗が聞いているみたいな構図。

今日は話せなかった。

そういう雰囲気ではなかった。

「ねえ彰、結良のこと、どう思ってる?」

「え、高宮?なんで?」

急に聞かれたことはあまりにも思いがけないことだった。

「いや、単に仲いい友達とかならいいんだけどさ、なんかそれ以上に見えるっていうか」

俺と高宮になんかあると思ったのか。

「あ、別に彰を疑ってるとかじゃなくて、この前結良に聞いたらなんかありそうで」