君の心をみせて

〜礼奈side〜

「女子たちの連絡先、全部消したんだって?」

その日の放課後、道でたまたま彰に会ったから、今日一日挙がりきりだった話題を張本人に聞いた。

「うん」

「なんで?」

今までの彼からして相当なことがないとそんなことはしない。

彰は黙っている。

「なんかあった?」

「けじめ、つけようと思って」

「え、なん…」

「じゃあね」

私が何のけじめか聞こうとする前に彰は歩いて行ってしまった。

彰は知り合ったときからもうモテていた。

常に両隣には女の子が付いていて、彰もそれを嫌がらない。

私はそんな子たちの1人になりたくなくて少し離れたところから眺めていた。