うっすらと視界がぼやける。

「高宮、やっぱり感情あるよ。ってか、その顔は反則」

その言葉と同時に私は枝野に引っ張られて、ぬくもりに包まれた。

前とは違う、もっと優しさに満ちたぬくもり。

私も控えめに腕を回す。

「あー幸せだわ」

枝野の少し低い声が耳にあたる。

「好きだよ」

枝野が私の肩に頭をうずめる。

「私も、大好き」

強めた腕にこたえるように、枝野は私を抱きしめなおした。