君の心をみせて

「頑張れ」

夕空に吸い込まれた言葉は、啓斗にも高宮にも、そして俺自身にも向けた言葉だった。


放課後、教室にはいつものメンバーだけが残っている。

テストが近づいてきて、6人で勉強会中。

といっても、高宮と礼奈と啓斗は割と勉強できる方なのでもっぱら教える側なんだけど。

「ちょっと俺飲み物買ってくる」

啓斗が下の購買部まで走っていった。

そのタイミングを見計らったように俺は口を開いた。

「あのさ、この後、俺が何しても今回だけは何も言わないで」

「え、変なことしないでよね」

「しないしない」

俺は高宮の方を見て笑う。

高宮に俺の考えが伝わったかは分からないけど。