「やっぱ初恋はいいわ」
「結良、最近可愛くなったよね」
「あ、前より笑うようになってからでしょ?」
「そうそう。もともと顔整ってるんだけどさ、笑うとさらにって感じ?狙ってる男子増えたらしいよ」
「え、枝野ピンチじゃん!」
「だから、まだそう決まったわけじゃないから」
「て言ってもよー」
私を抱きしめたまま会話が進んでいく。
その時視界の隙間にちょうど枝野が入った。
私が見ていることに気づいたのか枝野がこっちを向く。
〔あ、高宮〕
しかし、すぐに前に向き直して歩いて行ってしまった。
私は3人を抱きしめる力を少し強めた。
「ちょ、痛いよ、結良」
「あ、ごめんごめん」
腕を緩めて離れる。



