君の心をみせて

「あ、ここはyにこれ代入して」

親切に、わかりやすく教えてくれるけど、目は合わせないまま。

私も質問してる身だから、下心があると言っても、真面目に聞く。

「そしたら普通のxの式になるから…」

「あ!わかった!」

私が顔を上げると、ちょうど目の前に枝野の顔があった。

「あ…」

その瞬間目があう。

枝野は瞬きをして目を逸らした。

〔やば、近かった〕

「わかったなら、よかった」

私に目を合わせないまま言う。

「あ、うん、ありがと、じゃあ」

数学はやっぱり当たって、ちゃんと正解だったんだけど、私の心は浮かない。

授業が終わって、私は机に突っ伏す。

「結良、大丈夫?」