私は曖昧に頷いた。

確かに今までより話したし、別に間違ってはいない。

こんなに距離が近いのは初めてだが。

「ほら、だって」

「え、ちょっと彰!何やってんの?さっさとどけよ」

そう言って枝野は私から福原を引き剥がそうとした。

だが、福原はなかなか私から離れようとしない。

「で、結局何の話なの?」

そのまま福原はなんでもなさそうに聞いた。

希海たちが、チラチラ枝野の方を見る。

〔これ言ってもいいのかな?〕

福原の顔を見て分かってしまった。

わざと枝野の前で言わせるつもりだ。

話していた内容はとっくに知られているらしい。

礼奈が福原の袖を引っ張る。

〔やめときなって〕