「あ、啓斗、お前高宮のこと送ってけば?」

〔啓斗と高宮、進展してくれないかな〕

「え、いいよ、悪いし」

私はすぐ断ろうとした。

けど、他の人が便乗してくる。

「送ってもらいなよ、昼間って言っても危ないし」

〔2人きりにしたらなんか変わるかも〕

「いいよね、啓斗」

「俺は別にいいけど」

〔今日全然話せなかったし〕

周りの人の企てはバレバレだが、枝野自身が嫌がらないのなら、もう断る理由は無い。

「じゃあ、お願いします」

残りの四人がこっそり喜んだことも見えて、なんとなく気まずかった。

「じゃあねー」

「また明日」

私たちはそれぞれ別の路線へ足を進めた。