何色でもない私をあなた色に染めて

「瑛、最近仕事順調だよな
VANILLAちゃんのおかげで
飯食わせてもらってます」


私の髪にアイロンを入れながら
瀬来さんが言った


私が頑張れるのは瀬来さんのおかげだよ


瀬来さんがいなかったら
もぉとっくにモデルなんてしてないと思う


「有名になってきたんだから
スキャンダルとか気をつけろよ
オレも仕事なくなるのヤダし…」


ママも同じようなこと言ってた

瀬来さんは大丈夫なの?


「ママが瀬来さんによろしくだって
早く身を固めた方がいいとか言ってたよ」


鏡の中で瀬来さんと目が合う


「ママに言っといて
まだ固まりたくないって…
まだって言うか
一生固まらないから安心しろって…」


「それって
瀬来さんは一生結婚しないってこと?」


「結婚ていうか
彼女とか、交際とかもないかな…」


「一生遊んで暮らすの?」


「遊んで…って、嫌な言い方するね
今は仕事も少し起動にのってきたし
恋愛に関しては一生分の本気出したから
もぉいいかな…」


瀬来さんの一生分の本気

それはたぶん
あの時の…不倫だよね