何色でもない私をあなた色に染めて

「瑛ごめん
寒くない?
すぐ車乗って…」


何もなかったみたいに
瀬来さんと車に乗った


やっぱりママに迎え来てもらえば良かったかな

そしたら瀬来さんあの人と帰ってた?


「腹減ってない?」


「うん、いつも夜は食べないから…」


「さすがモデル
なんか飲む?」


「いい、大丈夫…」


瀬来さんの子供みたいじゃん、私

気にしてほしいところはそこじゃないのにな


話したいこともいっぱいあったはず


したいこともしてほしいことも
たくさんたくさん…


「瑛…さっき、聞いてた?」


「なにが?」


とぼけるしかない


「廊下で…」


「なにも、聞いてないよ
ホントに今日疲れちゃった」


そう言って目を閉じたら
それから瀬来さんの声はしなくなった