人類が誕生し

幾年もの月日が流れた時

空を彩る無数の星々を見つめ人々はそれぞれの想いを星々へ云う

そして1人の少女もまた、彼らを見て想いを伝える。

彼らは彼女を蔑む。

そして彼女自身も、自らを魔女と笑顔で蔑む。

彼女の思いが届くことは無い。

彼女の願いも虚しく短き人生に終わりを告げる。

だが、彼らは気に留めはしない。

数年後、1人の男が村を訪ねた。

男は少女を探していると言う。

そんな時、1人の少女が目に留まる。

それは、村で魔女と蔑まれる少女である。

彼女は、この村にいた魔女が亡くなった翌日に産まれた娘だったと言う。

男は少女を連れ、村を逃げるように出ていく。

その晩、空に無数の星々が浮かんだ。

その星に願いを云う彼女の頬を涙が伝う。

男もまた、星に願いを云う。

そして、2人は見つめ合い、口付けをした。

男と少女は互いの命が尽きるまで共に人生を歩んだ。

2人の命が尽きてから、幾万もの時間が流れた。

その間、彼女達は魔女と蔑まれ続けた。

少女の願いは叶わない。

そして、魔女と蔑まれる少女が成年を迎える頃に1人の男が村を訪ねた。

男は幾万もの間待ち続けてくれた彼女との約束を守りに来たという。

彼女は男を見て涙を浮かべた。

男と少女は互いに歩み寄り、口付けをする。

男は少女の交わした約束は幾万もの間、輪廻転生を繰り返しても尚、残り続けていた。

そして、彼女は涙した。

彼女は幸せを願った。

少女と男の願いが果たされ、輪廻は終わりを告げる。

無数の星々が2人を見下ろすかのように一面を彩っていた。