「その人、直ぐに出てくるかなぁ?」
「出てくるも何も……」
「出てこないと思う!」
「えー」
「危ないから後で俺が倒しておくよ!」
素直に事実をバラそうとした澤田君の声を遮り、ツンキーは勇ましい表情を浮かべてドンッと胸を叩いた。
犯人が犯人を倒すと勇敢に語っている様は滑稽だ。皆も思うことは同じらしく呆れたように笑っている。しかし、ツンキーの憐れな嘘を許さない男がココに1人。
「ツンキーはそいつだよ」
「え、原谷君がツンキー?」
「どう見たってその頭からしてツンキーだろ」
ドン引きする香織ちゃんに事実を告げる澤田君。
ツンキーの顔がみるみる悲惨さを増していく。
「原谷君がお兄ちゃんを……」
「か、香織ちゃん……」
「お兄ちゃんの敵は即ち私の敵!絶対に許さない!絶交ですっ」
ビシッとツンキーの顔を指差し、香織ちゃんは恨みたっぷりに「大嫌い」とツンキーを睨む。
「あああ、くっそ、澤田ァァァッ!」
悲しみにブチギレるツンキーの叫び声。新たな因縁の始まりである。



