私が香様と初めて会った日は、初雪の降る寒い日だったと聞いている。

門の前に、白い毛布で包まれたまま捨てられた私を、拾ってくれたのだ。

それから私は、東条家に仕える者として育てられた。

東条家として恥じぬように、物心がつく前からたくさんの事を教えてもらっている。

私にとって、香様は道標みたいな存在でお手本だ。