確信を突くような栄斗の言葉に、サッと血の気が引く。
どうして急にそんなことを言い出すのだろう。
『栄斗のパパとママはお友達だったから、結婚しなかったんだ。そういう家庭もあるんだよ』
過去の記憶をたぐい寄せると、何カ月か前に、栄斗に父親がいない理由を聞かれてそう答えたことを思い出した。
彼はその言葉を覚えていて、私が友達だと瀬七さんを紹介したので、自分の父親だと思ったのだろう。
「瀬七さん、驚かせてごめんなさい。あまり深い意味はないですから……」
瀬七さんが真剣な表情で私を見ているので、余計に心臓が不穏な音を立てる。
無理やり笑顔を作って、栄斗の顔を覗き込んだ。
「栄斗。ママのお友達はたくさんいるんだよ。セナお兄さんに急にパパ?って聞いたら驚いちゃうでしょ」
「うーん……」
パパじゃないとも、パパだとも言えない。
あやふやなことしか言えない自分が、情けない。
本当は、栄斗の言う通り瀬七さんが彼の父親だから……。
「よし、栄斗君。準備はばっちり。出発してもいいかな?」
「うん!」


