「はい。ありがとうございます」
瀬七さんがそこまで考えてくれているとは思わず、胸が熱くなる。
少しだけ……すべてを忘れて三人で“家族”として楽しんでも、バチは当たらないだろうか。
「じゃ、さっそく出発しよう。栄斗君のシートベルトは俺が締めるから、ひかりは座ってていいぞ」
瀬七さんはそう言って、早々に栄斗の隣を陣取る。
あまりの手際の良さに驚きつつも、私は彼の言う通り栄斗の隣の座席に座った。
「ねぇねぇ! せなおにいさんは、ままのおともだちなんだよね?」
「んー? そうだよ」
栄斗の座席を一生懸命固定してくれている瀬七さんに、栄斗が話しかけている。
えーっと。オレンジジュースはこっちのバックに入れてたっけ。すぐに出せるように用意しておこう。
「ってことは、せなおにいさんが、ぼくのぱぱ?」
え……?
聞こえてきた栄斗の言葉に、バックを漁る手が止まる。
緊張したまま視線を横に動かすと、瀬七さんは栄斗の顔を見て驚いていた。
「栄斗君、それはどういう意味だ?」
「だってままが! ぼくのぱぱは、ままのおともだち。って、いってたもん!」


