瀬七さんの言葉に、ほっと胸を撫でおろす。
いくら勘の鋭い彼でも、たった一回で……しかもちゃんと避妊をしたというのに、私との子ができているとは思わなかったようだ。
「えっと。その……」
「ん?」
私が言い淀むので、瀬七さんは眉間に皺を寄せる。
その体にしてしまえば楽なのだろうけど、実の父親である瀬七さんに嘘をつくのは胸が痛んだ。
誰よりも父親がいない生活を強いている栄斗に対して、罪悪感を覚える。
でも、仕方がない。ここは腹を決めよう。
「はい。あのときの彼との子です。……でも、たいして揉めたわけじゃないですし。私ひとりですけど、母が協力して育ててくれているから、なんの不自由もありません」
変な心配もさせたくなかったので、軽く家庭内の状況を瀬七さんに伝える。
真剣な表情でこちらを見ていた彼は、突然、私の方に身を乗り出した。
「わっ……」
「大変だったな。俺が手伝えることはなんでもしてやるから」


