瀬七さんなら、大丈夫……だよ。
「ひかり……」
瀬七さんの熱を孕んだ瞳に息を吞んだそのとき、腕を引き寄せられた。
唇と唇が軽く触れ合う。
少し硬く、温かい唇だった。
「俺を信じてほしい。君を誰よりも大切にする」
「はい、信じます」
吐息が混ざる距離で言葉を交わし、瀬七さんが角度を変えた拍子に、舌を絡ませた。
甘いラブソングと儚い光に人々が酔いしれる中、私たちは口づけに溺れていく。
二日間くだらない言い合いをしていたなんて考えられないほど、淫らなキスだった。
一度火が付いたら止められず、私は瀬七さんの住むアパートメントに訪れ、彼の洗練された部屋などを確認する間もなく、互いに求めあった。
はたから見たら出会ってすぐの男と体を重ねるなんて、浅はかな女に思われるかもしれない。
でも、たしかに私の心と体は、幸せに満ち溢れていた。
瀬七さんが頭から足のつま先まで大切にされたし、私を見る瞳に一寸の嘘も感じなかった。
本気で愛してくれているのでは、と錯覚するほどに。
「ひかり。海外に住んでみたいと思ったことはないか?」


