彼は言いかけたが、そのまま口を閉ざしてしまった。
私は自分のことで頭がいっぱいで、瀬七さんから元気ばかりをもらっていた。知らなかったとはいえ、申し訳ない気持ちになる。
なんと言葉をかけようか考えている間に、彼の指が私の額を押した。
「わっ」
「眉間に皺。君は何も悪くない。俺が黙っていて、今勝手に言って困らせているだけだ。悪いとか思うな」
「す……すごい」
最後の最後まで見破られてつい感心すると、瀬七さんは声を上げて笑う。
「ひかりを元気づけるつもりが、俺が元気づけられてしまった。本当に、君に会えてよかった」
ストレートな瀬七さんの言葉に、かっと頬が熱くなる。
私を見つめる瞳から目をそらせない。
彼が今までにない色香をまとっているような気がするのは、気のせいだろうか。
「出会ってたった二日なのにな。意地っ張りで、ドジで、繊細で。でも……つらくても、強くあろうとする君が好きだ」


