彼の問いに弱々しく頷き、意思を伝える。
すると握られた力はさらに強まって、瀬七さんにつられるようにしアラブストリートをあとにした。
彼が振り返るまでは泣き止まなければと、強く自分に言い聞かせる。
繋がった部分から伝わる体温と彼の優しさに、心が揺れた。
日本に帰るのが寂しい。瀬七さんのことをもっと知りたい。
強引だけれどいつも私に元気をくれようとしてくれる、瀬七さんが、私……。
数時間後。
私の宿泊しているマリーナ・ベイエリアの高級レストランで夕食をとり、瀬七さんとガーデンズ・バイ・ザ・ベイにやってきた。
ここは熱帯雨林をイメージした人工植物園。
二十五メートルから五十メートルあるスーパーツリーといわれる人口の木々が、夜の二回、音楽に合わせてカラフルに光り輝き、ショーを楽しむことができる。
そのうちのガーデンラプソティという幻想的なショーを見るために、私たちは他の観光客と混じって、スーパーツリーの下に寝転がった。
こうやって下から見物するのが、とても綺麗なんだそうだ。
「なんだか旅の最後って感じがしてきたな」
「ですね、楽しみだなぁ」


