今日のひかりは、格別に美しかった。
ウエディングドレスをまとっている姿も、明るい笑顔に映えるレモン色のドレスを着た姿も、みんな目を奪われていた。
俺から見ても……ひとりの女性として永遠の愛を誓った彼女は神聖で。
普段通り栄斗に限りない愛情を与える母の彼女も、太陽のように輝いていた。
そして今、こうしてベッドの上でキスに溺れる彼女は、月のように神秘的で、俺の身も心も完全に支配してしまうほど妖艶だ。
「瀬七さん……ん……」
夜闇に白く浮かび上がった首筋に、淡いキスを落とす。
桃色に色づいた柔らかい肌に汗が滴っていて、抑えていた欲望を刺激してくる。
俺だけが彼女の誰にも見せない一面を見ていると思うと、優越感すら感じるのだ。
「ひかり、愛してる……。君を誰よりも、幸せにするから」
いっしょに過ごす時間が長ければ長くなるほどに、彼女に溺れていく。
それはきっと、一生続いていくのだろう。
キスの合間に告げた俺に、ひかりははにかんだ。
「もう十分幸せですが……瀬七さん、私。栄斗の兄弟が欲しいです。もっと賑やかな家族を作りたい」
ひかりの秘められた願望を知って、俺は思わず笑い声をもらす。
「今、俺は煽られているのか? 明日寝不足になるぞ」
「た、多少は大丈夫です。バンジーするわけでもないし!」
腕の中で恥ずかしがる彼女がたまらなく愛おしくて、俺は額に淡いキスを降らせた。
「可愛いひかり。覚悟しておいてくれ」
彼女の赤く色づいた耳に息を吹き込んだのを合図に、俺たちはベッドの深い海に沈んでいく。
シンガポールの夜は、今始まったばかりだ。
END.


