天才外科医は激甘愛で手放さない~絶対に俺の妻にする~


 ぼんやりと滲んだ視界でも、瀬七さんが私をまっすぐ見てくれているのが分かる。

 「四年前、瀬七さんとメグさんが電話で会話をしているのを聞いて……私はふたりが恋人だと勘違いして。私は……瀬七さんのことが、本当に好きだったから、その場にいられなくて……ちゃんと話していればよかった。本当に、ごめんなさい」

 夜のシンガポールを、私は可能な限り走った。

 これ以上傷つきたくなくて。心が壊れてしまいそうで。瀬七さんをこれ以上愛したくなくて。逃げ出した。

 「でも……結局、自分の本当の気持ちからは逃げられなかった。私は、あなたとの子を日本で産みました」

 「え?」

 瀬七さんの驚いた声に、涙をぬぐう。

 顔を上げると彼は私をまっすぐ見つめていた。その瞳は、見たことがないくらい戸惑いに揺れている。

 「栄斗はあの一夜でできた、紛れもない瀬七さんとの子です」