天才外科医は激甘愛で手放さない~絶対に俺の妻にする~

 「ほんと?」

 「うん。少し、ママとふたりでお話ししてもいいかな?少しここのベンチに座っててくれる?」

 「うん!」

 栄斗は瀬七さんの言葉に安堵したのか、笑顔で離れて近くのベンチに勢いよく座った。

 栄斗の温かい言葉が胸に染みて、いまだに耳から離れない。

 そんな私を瀬七さんは真剣な目でまっすぐ見ながら、こちらに歩いてくる。

 「ひかり、大変だったな」

 「瀬七さん。いえ、瀬七さんこそ……」

 すぐ近くにまで来た彼が足を止め、自然と視線が交わった。

 「瀬七さん、今回は母の命を助けてくれてありがとうございました」

 「ああ、ひかりのお母さんが助かって本当によかった。あと少し手術の着手が遅れていたら、危なかったから」

 「そうですか……」

 安堵はするものの、瀬七さんを前にして心臓が激しく動いている。

 でも、もう私に迷いなどない。

 瀬七さんを疑う気持ちも一ミリもない。

 私のずっと秘めていた想いも、栄斗の出生に関する事実も、全部、全部……伝えるって決めた。

 大きく息を吸い込み、彼の瞳をしっかり見返したそのときだった。


 「……ひかり、俺と結婚してくれないか」