天才外科医は激甘愛で手放さない~絶対に俺の妻にする~

 瀬七さんの言葉に、少しだけ冷静になれる。

 「大丈夫。絶対に助けるから」

 「瀬七さん……」

 彼は涙を耐える私に小さく頷くと、背を向けて母のいる手術台に向かっていった。

 彼ならきっと、やってくれる。

 お母さんも一度は死にかけて、あれだけ元気になったんだから大丈夫だ。

 瀬七さん。どうかたったひとりのお母さんを助けてください。

 心の中で強く唱えながら、私はその場をあとにした。


 それから一時間のカテーテル手術が行われ、無事に成功した。

 母はそのままICUの入院が決定し、意識が戻るのを待つことになった。

 まだ容態が安定していないため油断はできないが、ひとまず一命をとりとめて安心する。

 外回り看護師から母の容態を詳しく聞いた後、私は早退して栄斗を保育園に迎えに行く。

 それからすぐに病院へとんぼ返りし、栄斗を引きつれて母の入院の手続きをしにやってきた。

 すべての事が落ち着いたのは、診療時間を大幅に過ぎた夜の八時すぎ。

 母の命の恩人である瀬七さんとは、まだちゃんと話せていない。

 「ばぁば、もうすぐめ、さますかな。ぼく。はやくおはなししたいな」

 「……うん。きっとすぐだよ。ママも、ばぁばとお話したいよ」