「振られたって……」
「好きな人がいる、彼女しか愛せないって、面と向かってはっきり言われました。だからこれから私の面倒は見られない。彼女に顔向けできないからと」
瀬七さんのまっすぐな言葉に、心が激しく揺さぶられる。
私が知らないところで、ふたりは分別をつけていたのだ。
「四年前のあの日から、瀬七はずっとその好きな人を探していました。あなたですよね、“ひかり”さん?」
はっきりと言い切った恵さんから、思わず目をそらす。
動悸が激しくなり、息苦しい。
どういうこと? 瀬七さん。私を探してくれていたの……?
「じ、自信はありません」
「じゃあ自信を持ってください。昨晩、瀬七は私と父の前でひかりさんをずっと想っていると言いました。日本に来たのも、あなたを探すためだと」
「そんなっ……」
四年前。
シンガポールで出会った私たちは一瞬で恋に落ちた。
でもそれは私の思い違いで、瀬七さんにとってはただの遊びなんだと。
だから、逃げたのに。
「わ、私は……シンガポールにいるときに、メグさんと瀬七さんが親密なやり取りをしていたのを聞いて……てっきりふたりがお付き合いをされているのかと……」


