天才外科医は激甘愛で手放さない~絶対に俺の妻にする~


 翌朝。普段通り仕事をこなし、昼食を食べるために休憩室にやってきた。

 私以外に他の手術担当の看護師がちらほらいて、彼女たちに軽く挨拶をし輪の近くの席に腰を下ろす。

 テーブルにお弁当を広げながら重たい息を吐きそうになり、頭を振った。

 もう昨日のことは考えない。瀬七さんの口から聞いたことがすべてなんだから。

 瀬七さんからはあれから連絡がない状態で、時間を追うごとに不安が増しているような気がする。

 「あ、そういえば私。この前、すごい光景みちゃったんです」

 「なになに?」

 近くで聞こえてきた声がはっきりと耳に届き、お弁当箱を開ける手が止まる。

 「子供のミルクを買いに赤ちゃんlifeに行ったときに、西堂先生と恵さんが仲良くおむつとか、離乳食のグッズを見てて」

 「えーー!」

 「結婚を飛び越えて、おめでたなのかしらぁ」

 昨日産婦人科で見たふたりと今聞こえている噂話がぴったりとリンクして、目の前が真っ暗になった。

 赤ちゃんlifeは、乳幼児向けのベビー用品やマタニティグッズを取り扱う、チェーン店だ。

 私も栄斗を出産する前からよく利用しており、三歳になった今でも時々お菓子を買いに行ったりしている。

 これ以上彼女たちの話を聞きたくないけれど、立ち上がれないほどショックが大きい。

 どうやら瀬七さんと恵さんが選んでいたおむつは新生児用らしく、恵さんのお腹は大きく見えなかったようだ。

 けれど、妊婦の中には早い段階から赤ちゃんの用意をしたがる人もいるし、お腹が目立たない人もいる。

 瀬七さん……やっぱり恵さんと付き合っていたってことなんだ。しかも、妊娠?