「わかりました。お気遣いありがとうございます」
「ああ」
栄斗の横の座席シートに腰を下ろした私は、ハンドルを握る瀬七さんの背中をつい見つめてしまう。
さっき、瀬七さんはなんと私に言ってくれようとしたのだろう。
胸が甘く疼き、息苦しくなる。
彼ももしかしたら私を想ってくれているのでは……と、淡い期待を抱いてしまう。
ここに来る前は、瀬七さんに栄斗のことを話そうか迷いがあった。
けれど一日家族のように三人で過ごしてみて、きっと彼なら事実を受け入れて栄斗を大切に育ててくれそうだと思った。
それに、さっき私にくれた言葉たち。
もし、私と同じように恋愛感情を未だに持っていてくれるなら、栄斗の出産も心から喜んでくれるのではないだろうか。
車に揺られながら、意思が固まってくる。
私、瀬七さんに栄斗の出生に関して、ちゃんと伝える。
そして……私が今もなお瀬七さんに気持ちがあるということも。
私たち三人に、幸せな未来があると信じたい。


