エレノアの肖像画の前で、一人の青年が誇らしげな表情を浮かべて立っていた。ミルキーブロンドの前下がりボブ、やや垂れ目がちなその瞳の色は栗色だ。
「母さん、見て見て。どう? 似合うでしょ?」
青年は上下白の軍服を見せびらかすようにして軽やかに一回転してみせた。彼の名はルーベン・カーライル。エレノアとユーリの一人息子だ。
顔立ちはエレノアにとてもよく似ている。柔和でありながらどこか軽やかであり気さくな印象を抱かせる。
ユーリとはまるで似ていない。共通点と言えば瞳の色と、さらさらとした髪質ぐらいのものか。
「俺、勇者になったんだよ」
「むりくりだけどな」
扉を開けてユーリが入ってくる。彼は今年で41歳になった。変わらず若々しいがその白い頬には薄っすらとほうれい線が。右頬には小さな傷がついている。
あの日、エレノアが治さずにおいた傷だ。務めを果たすことよりも、共に在ることを選んでくれた。その時の喜びを胸に刻むべく、未だ治さずそのままにしているのだ。
「はいはいはいはい、時限付き勇者ですけどそれが何か? ハイブリッドってことでいーじゃん」
エルの本職は聖者だ。祈りによる治療と邪を祓う結界術を得意としている。彼には酷な話だが、攻め手としての才は欠如していると言わざるを得なかった。
けれど、彼はめげることなく励んだ。ユーリとの二人三脚の鍛錬の末に15分だけ勇者の力を扱えるように。
その威力と彼の言うハイブリッドぶりが評価されて、つい先日晴れてライセンス獲得に至ったというわけだ。
「母さん、見て見て。どう? 似合うでしょ?」
青年は上下白の軍服を見せびらかすようにして軽やかに一回転してみせた。彼の名はルーベン・カーライル。エレノアとユーリの一人息子だ。
顔立ちはエレノアにとてもよく似ている。柔和でありながらどこか軽やかであり気さくな印象を抱かせる。
ユーリとはまるで似ていない。共通点と言えば瞳の色と、さらさらとした髪質ぐらいのものか。
「俺、勇者になったんだよ」
「むりくりだけどな」
扉を開けてユーリが入ってくる。彼は今年で41歳になった。変わらず若々しいがその白い頬には薄っすらとほうれい線が。右頬には小さな傷がついている。
あの日、エレノアが治さずにおいた傷だ。務めを果たすことよりも、共に在ることを選んでくれた。その時の喜びを胸に刻むべく、未だ治さずそのままにしているのだ。
「はいはいはいはい、時限付き勇者ですけどそれが何か? ハイブリッドってことでいーじゃん」
エルの本職は聖者だ。祈りによる治療と邪を祓う結界術を得意としている。彼には酷な話だが、攻め手としての才は欠如していると言わざるを得なかった。
けれど、彼はめげることなく励んだ。ユーリとの二人三脚の鍛錬の末に15分だけ勇者の力を扱えるように。
その威力と彼の言うハイブリッドぶりが評価されて、つい先日晴れてライセンス獲得に至ったというわけだ。

