エレノア譲りのミルキーブロンドの髪はやわらかさも相まってか何処かヒヨコを思わせる。因みに瞳は栗色。こちらは言わずもがなユーリ譲りだ。
「くそっ、何でだよ……」
その子はとても素直で人懐っこかったが、なぜかユーリにだけは懐かなかった。抱く度に大泣きをする。その度にユーリは気落ちしてエレノアや仲間達に励まされるといった流れが定番化されつつあった。
エレノアはユーリから我が子を受け取る。彼は打って変わって上機嫌に。きゃっきゃと眩い笑顔を浮かべる。エレノアは愛おしさのなすままに我が子の額にキスをした。
「この子の名前を決めました」
「………………………………パパイヤとかですか?」
すっかりいぢけてしまっている。エレノアは苦笑を堪えつつ我が子の名を告げる。
「ルーベン」
「……ルーベン?」
「はい。『神の書』の編纂者。聖教の歴史に名を刻む偉大なるお方の名です」
カーライルは三大聖教一族だ。故に子息令嬢達には天使や聖教の偉人由来の名が付けられている。かく言うエレノアもそう。彼女の名は博愛の天使からきている。
「加えて『その子を見よ。息子を見よ』という由来を持ちます」
ルーベンは勇者であるユーリと聖女であるエレノアの子だ。かかる期待は計り知れない。
しかしながら、その才は必ずしも子に引き継がれるわけではない。どちらかと言えばその確率はかなり低いと言える。
だからこの名を付けた。気休めにしかならないかもしれないが、少しでもルーベンの心を守ることに繋がれば、胸を張るきっかけになればとそう願って。
「くそっ、何でだよ……」
その子はとても素直で人懐っこかったが、なぜかユーリにだけは懐かなかった。抱く度に大泣きをする。その度にユーリは気落ちしてエレノアや仲間達に励まされるといった流れが定番化されつつあった。
エレノアはユーリから我が子を受け取る。彼は打って変わって上機嫌に。きゃっきゃと眩い笑顔を浮かべる。エレノアは愛おしさのなすままに我が子の額にキスをした。
「この子の名前を決めました」
「………………………………パパイヤとかですか?」
すっかりいぢけてしまっている。エレノアは苦笑を堪えつつ我が子の名を告げる。
「ルーベン」
「……ルーベン?」
「はい。『神の書』の編纂者。聖教の歴史に名を刻む偉大なるお方の名です」
カーライルは三大聖教一族だ。故に子息令嬢達には天使や聖教の偉人由来の名が付けられている。かく言うエレノアもそう。彼女の名は博愛の天使からきている。
「加えて『その子を見よ。息子を見よ』という由来を持ちます」
ルーベンは勇者であるユーリと聖女であるエレノアの子だ。かかる期待は計り知れない。
しかしながら、その才は必ずしも子に引き継がれるわけではない。どちらかと言えばその確率はかなり低いと言える。
だからこの名を付けた。気休めにしかならないかもしれないが、少しでもルーベンの心を守ることに繋がれば、胸を張るきっかけになればとそう願って。

