「わたくしも、生まれ変わっても貴方と共にありたい」
「いいんですか? 取り消しは利きませんよ?」
「望むところよ」
ユーリに倣い得意気な笑みを浮かべる。ユーリは破顔した。つられるようにして笑うとそっと抱き寄せられる。
エレノアの耳にユーリの広い胸が触れた。力強くも心地のいい鼓動に頬が緩む。
「エラ」
促されるまま顔を上げる。かつては見下ろし、その身を屈めてプロポーズを受けた。あれから10年。今はこうして見上げる形で彼の目を見ている。熱く蕩けたその栗色の瞳を。
「……愛してる」
「わたくしも愛しているわ」
二つの唇が重なる。体温を移し合うようにぴったりと。互いの息遣いを肌で、耳で感じた。
ユーリの息遣いは遠慮がちで少々苦し気だ。初々しい。もっと愛でたい。そんな浅ましい衝動に駆られて目を開く。
「っ!」
至近距離で目が合う。どうやら同じ考えであったらしい。互いに罰が悪そうに目を伏せて微笑み合った。
黄色いポプラの葉が舞う。その様はまるで二人を祝福しつつも茶化すような無邪気な子供のようだった。
それから1年後、エレノアは子を産んだ。男の子だった。
「いいんですか? 取り消しは利きませんよ?」
「望むところよ」
ユーリに倣い得意気な笑みを浮かべる。ユーリは破顔した。つられるようにして笑うとそっと抱き寄せられる。
エレノアの耳にユーリの広い胸が触れた。力強くも心地のいい鼓動に頬が緩む。
「エラ」
促されるまま顔を上げる。かつては見下ろし、その身を屈めてプロポーズを受けた。あれから10年。今はこうして見上げる形で彼の目を見ている。熱く蕩けたその栗色の瞳を。
「……愛してる」
「わたくしも愛しているわ」
二つの唇が重なる。体温を移し合うようにぴったりと。互いの息遣いを肌で、耳で感じた。
ユーリの息遣いは遠慮がちで少々苦し気だ。初々しい。もっと愛でたい。そんな浅ましい衝動に駆られて目を開く。
「っ!」
至近距離で目が合う。どうやら同じ考えであったらしい。互いに罰が悪そうに目を伏せて微笑み合った。
黄色いポプラの葉が舞う。その様はまるで二人を祝福しつつも茶化すような無邪気な子供のようだった。
それから1年後、エレノアは子を産んだ。男の子だった。

