「言わなくてはダメ? 何だか照れ臭いわ」
「いい根性していますね。俺にだけ恥をかかせて」
「あら? ふふっ、とっても可愛らしかったですよ」
「……怒りますよ」
「まぁ、怖い!」
エレノアが笑ったのと同時に風が吹いた。髪の毛を思わせるような細長い草が気まぐれに舞っては飛んでいく。
「……とても真っ直ぐな方だと、そう思ったからよ」
エレノアは風に弄ばれるミルキーブロンドの髪を押さえ込んだ。肘を立てることでそれとなく表情を隠す。
「ちょっと乱暴な言い方をすると、分かりやすい人。この方のお気持ちならきっと汲んで差し上げられる。見落とさずに済む。……安心して愛を育めるとそう思ったの」
「バカで良かったです」
「あらあら。ふふふっ、物は言いようね」
二人で並んで風の音を聞く。無言の時間ですら心地いいと感じた。
「……っ」
また全身が重たくなる。
「いい根性していますね。俺にだけ恥をかかせて」
「あら? ふふっ、とっても可愛らしかったですよ」
「……怒りますよ」
「まぁ、怖い!」
エレノアが笑ったのと同時に風が吹いた。髪の毛を思わせるような細長い草が気まぐれに舞っては飛んでいく。
「……とても真っ直ぐな方だと、そう思ったからよ」
エレノアは風に弄ばれるミルキーブロンドの髪を押さえ込んだ。肘を立てることでそれとなく表情を隠す。
「ちょっと乱暴な言い方をすると、分かりやすい人。この方のお気持ちならきっと汲んで差し上げられる。見落とさずに済む。……安心して愛を育めるとそう思ったの」
「バカで良かったです」
「あらあら。ふふふっ、物は言いようね」
二人で並んで風の音を聞く。無言の時間ですら心地いいと感じた。
「……っ」
また全身が重たくなる。

