「超が付くほどの美人に全肯定されたんですよ。……そら惚れるでしょ」
当時のユーリは否定の中で生きていた。彼は剣の道を志す農夫の子供であったから。いくら腕を上げても、成果を積み上げても返ってくるのは否定の声だけだった。
そのため、彼はひたすらに飢えていたのだ。肯定を。賞賛を求めていた。エレノアはそれを知った上でユーリを肯定した。彼女にもまた否定の中に身を置いて励んだ過去があったからだ。
『祈り』という聖者/聖女のみが扱える治癒魔法を体得しながら、『回復魔法』を学ぶ。
一人でも多くの人を救いたい。その一心ではあったが、同時にそれは他の聖者/聖女の怠惰と選民意識を浮き彫りにするものでもあった。
結果、彼女は激しく煙たがられ孤立。務めに邁進するも評価されることはほとんどなかった。
ユーリを肯定しにかかったのは、言ってしまえば過去の自分を肯定するため。自分本位な動機に端を発してのことだった。
「軽はずみでしたね」
「後悔しても遅いですよ」
「ふふふっ、それは困りましたね~」
お茶らけたように返すとユーリはまた大仰に咳払いをした。
「……貴方は?」
当時のユーリは否定の中で生きていた。彼は剣の道を志す農夫の子供であったから。いくら腕を上げても、成果を積み上げても返ってくるのは否定の声だけだった。
そのため、彼はひたすらに飢えていたのだ。肯定を。賞賛を求めていた。エレノアはそれを知った上でユーリを肯定した。彼女にもまた否定の中に身を置いて励んだ過去があったからだ。
『祈り』という聖者/聖女のみが扱える治癒魔法を体得しながら、『回復魔法』を学ぶ。
一人でも多くの人を救いたい。その一心ではあったが、同時にそれは他の聖者/聖女の怠惰と選民意識を浮き彫りにするものでもあった。
結果、彼女は激しく煙たがられ孤立。務めに邁進するも評価されることはほとんどなかった。
ユーリを肯定しにかかったのは、言ってしまえば過去の自分を肯定するため。自分本位な動機に端を発してのことだった。
「軽はずみでしたね」
「後悔しても遅いですよ」
「ふふふっ、それは困りましたね~」
お茶らけたように返すとユーリはまた大仰に咳払いをした。
「……貴方は?」

