直美は高校三年生になったばかりの女の子。
隣の席の男の子に片思い中。
直美が好きになったきっかけは、単純で、高校に入学してすぐに落とし物をして、探しているところ、誰も気にしてなかったのに、唯一、一緒に探してくれたからだ。

「直美、おはよう」

「あっおはよう。奏斗君」

そう、いま挨拶を交わした男の子が片思いの相手である。
かれこれ、三年も片思い中なのだ。