「すみません。すみません。もう時間ですよね。すぐ準備します。」

そう言って立ち上がろうとした夏鈴を陸斗は引き止めた。

「今日は働くな。代わりはいくらでもいる。俺がこのまま働いたっていい。だから、今日は休め。な!」
陸斗がそう言うと、

「そうよー!山下さんはいつもみんなのシフト代わってくれるじゃない。今日は代わりの誰かが働けばいい。ねっ!だから気にしないで。」
店長が優しい口調で言った。

「働いたらだめですか、今月ピンチなんです。どうかお願いします。これ以上迷惑かけませんから。」

「山下さん、、、だけど、今の状態では店に出せないわ。だから今日は休んで。ねっ。また元気になったらお願いするから。」

夏鈴の雰囲気からお金に困ってることを店長は感じていた。だから、できるだけ時給のいい夜勤を多めに入れてきた。だけど、大学生の女の子だ。ここまで酷い状況だとは考えていなかった。