ヨシニヤにやってきた。
陸斗はもちろん大盛りだ。夜勤明けはお腹が空く。たらふく食べて帰って寝るのが至福の時だ。

「夏鈴ちゃん。つきあってもらってるんだし、好きなん食べなよ!奢るから。」

「えっ。悪いですよ。それに高いですし、、、。」
夏鈴にとって朝からワンコイン以上使うのは高級でしかなかった。そのため、陸斗の誘いを断る。

「男の先輩に奢るって言われたら、ありがとうございますって言うのがマナーだから。ここで俺が引いたら、周りの人にケチな男だと思われて恥ずいわ。だから、なんでも食べなー!」

断りきれず、1番安い牛丼を頼んだ。もっと高くてもいいのにと陸斗は笑ったが、まあ2人分頼めただけ上出来かなと思った。夏鈴は初めてヨシニヤで牛丼を食べた。