あなたに出会って世界が変わる

陸斗は夏鈴が寝ている病室に入る。
夏鈴を今回も助けてやれなかったと後悔する。無理にでも話を聞けばよかったと。

「、、、りくと?」

「夏鈴、大丈夫か?」

夏鈴が目を開けた。

「ここどこ?」

「病院だよ。夏鈴が倒れたって聞いて、慌ててきたんだ。」

夏鈴は採血の結果からも何も悪いところはない。打ったところもないため、過労の診断となった。そのため、このまま退院となる。
西に連絡をとった。明日は金曜日であり、そのまま週末まで休むよう言われた。

家に着いて、夏鈴と食事をとる。夏鈴は昨日のこととただの寝不足というが、陸斗は何か違うと気づく。夏鈴は男性の声がするとわずかに震えている。それに夏鈴はあまり陸斗と目を合わせず、すぐこの話を終わらせようとした。

「なあ夏鈴。昨日のことももちろん怖かったし、辛かったと思う。それであんまり眠れなかったんだろ?だけど、それだけじゃないだろ。夏鈴、男の人の声で震えてた。それに全然目を合わせて話さないよな。俺が気づいてないと思う?これからどうするかは、話聞いてから一緒に考えよ。俺も前みたいに自分の意見押し通したりしない。あの時はごめんな。辛いのは夏鈴なのに俺が心配なばっかりに気持ちを押し付けた。だから、話してみてくれないか。」
陸斗は優しく伝える。

「陸斗、、、。ごめんなさい。」
夏鈴はぽろぽろと涙を流し、今日あったことを伝えた。

「辛かったな。怖かったよな。もう大丈夫だから。」
陸斗はそう言って、夏鈴を抱きしめる。

「仕事行くのが怖いよ、、、。」
夏鈴が涙ながらに訴えた。

「仕事は辞めたかったら、辞めたらいい。新しい職場がみつかるまでは俺が働くから、お金は全然なんとかなる。ただ、せっかく頑張ってついた仕事だ。辞めたくないんだったら、異動希望出してみてもいいんじゃないか。西課長さんに相談してみたら?今の部署にいるのは正直おすすめしない。」

「うん。やっぱり異動希望だしてみる。それでもし異動出来なかったら、仕事辞めることも考える。」

「それがいい。ただ、山田課長がやったことは俺は許せない。それも含めて1度西課長に聞いてみるか、人事部に相談したらいい。夏鈴が1人では難しいようなら、俺が言いに行く。」

「月曜日、西課長に相談してみる。」

「うん。それがいい。」

「ありがとう。」

「無理するなよ。」
陸人はそう言って、夏鈴の頭を撫でた。